「風が吹いたり 雨が降ったり」再び!⑫

 

 

 帰天

 

 

存在しないものを

 

知ることはない

 

まして

 

名前をつけることなど

 

 

あなたはすべての人に知られ

 

「神」という名でよばれている

 

それゆえ

 

あなたは存在している

 

 

子供のころ

 

わたしはあなたを知っていた

 

わたしはあなたを

 

「空」と呼んでいた

 

高く澄み渡り

 

陽の光を降り注ぐ

 

あなたのふところに

 

幼い両手を

 

翼のようにひろげた

 

 

 

 

大きくなって

 

空は

 

地球をつつむ大気だと知った

 

歴史の教科書が

 

あなたの名前を教えてくれた

 

「アニミスム」と

 

わたしは もっとも

 

親しい存在を失った

 

 

文明は 常に

 

進化し続けているという

 

原始的な

 

物質の呪縛がある

 

翼をもがれた人間は

 

不信とともに

 

地の迷路をさまよう

 

過去に 人の

 

偉大な発見は数多く

 

 

神の業にひとしい恩恵がある

 

けれど

 

あなたを知ったこと以上に

 

大きな発見はなく

 

あなたに親しむ

 

それに勝る恩恵もないと

 

気付くまで

 

 どれほど多くの呪縛に

 

 わたしは

 

 おののいてきただろう

 

 

 忘れまい

 

 いつか再び

 

 翼をひろげ

 

 あなたのもとに

 

 まっすぐ帰っていく

 

 空の道を

 

 

 

          倉敷教会  Y.S